2009年7月2日木曜日

岡崎市額田町へ

環境とアート ゼミ記録 2009/06/30


岡崎市(愛知県)にて森林問題に関するレクチャーと市内額田町の森林見学



ゲスト  小原淳氏   (小原木材株式会社 社長)

      八田欣也氏 (岡崎製材株式会社 社長)

      手島俊彦氏 (西三河農林水産事務所 林務課)    

      樋口奈央氏 (岡崎森林組合)

      清水龍生氏 (山林所有者)

      国島征二氏 (アーティスト、岡崎市在住)

        鈴木正義氏 (Masayoshi Suzuki Gallery 代表)

教員   土屋公雄、南川裕輝

参加者  北浦、松野、岸、高橋、壬生、岩佐、米倉    

1300~ レクチャー 

1600~ 額田の森見学




■「森は生命の根源である」   小原氏

今から約1000年前、ギリシャのパルテノン神殿の辺り一帯は緑地であった。現存する神殿より以前のものは木材でできていた。文明は肥沃な土地に生まれる。ギリシャにおいても、緑があったがゆえに人が住み、生活を営んでいた。しかし植樹を行わなかったために、森は枯れ、やがて文明は退化した。森は生命の根源である。

21世紀に生きる人間に与えられた課題として環境問題がある。

20世紀末から叫ばれてきた環境問題だが、この20年に築かれてきた環境主導は経済であった。産業公害、廃棄物処理、大気汚染などから食の安全性に至る大きな問題は、経済優先社会における産物であり、このことは対処療法的な観点で対応されてきた。

そこで未来を見据えた本質的な環境対策の軸となるのが「文化」であると考える。

                      「文化のまちおかざき 宣言書」より


額田地区は人工の森と化した。(現在、愛知県一帯に育つ森林は、伊勢湾台風の後に一斉に植樹されたものである。)それは文明の進歩の中での変化であるが、今日われわれは、人の手の入った森を管理し続けるか、放置して何百年後の自然回帰を待つか、決断の時期に来ている。人工林は放置したままにすると災害に弱く、豊かな表土を失い、やがて食物の育たない山と化する。まさに額田の山は放置されだし、一行も早く市民の決断を必要としている。そしてこのことは日本全土が抱える問題なのである。

                       「文化のまちおかざき 宣言書」より


平成18年、額田町は岡崎市と合併した。自然豊かな土地柄で御影石の産地でもあり、採石場などもある。(岡崎市の面積 38,724ha 内、森林面積 23,325ha

近年、額田の森は目に見えて荒れ、病んできている。山から流れている水が汚染している。これは山が疲弊している証拠である。

12年前から森林問題を深刻に受け止め、活動のきっかけを起こそうとしてきた。

2009年「木持ちがいい会」を結成。気が好きな人が集まる。

額田の森の現状を見過ごしたくない。まず、現状を周知していくために何かできないか。

産業と環境のバランスを取っていかねばならない。そこで文化の力を使えないかと考えている。(天使の森構想)




■「林業について」   樋口氏 手島氏

 林業とは、森林に入り、主として樹木を伐採することにより、木材を生産する産業である。

 岡崎森林組合の仕事としては、木材生産の他に、水土保全、レクリエーションなども行う。

 

日本の森林の約4割、市の森林の6割は人工林である。

人工の森林は手を入れ続けていかなければダメになってしまう。

 森林は未来からの預かりものである。





山の中に入ると、管理されているかそうでないかが一目瞭然である。

 ・管理されている森は、木の間隔が適度であり、陽光が差し込んで明るい。

 ・管理されていない森は、木の間隔、太さ、高さが単一で、陽光が入り込まないため暗い。


植樹から伐採までのサイクルは、木をどの程度まで成長させるかにもよるが、岡崎の場合は1サイクルを100年程としている。

・植樹 180cm間隔で行う。

・下草刈り 約10年間、木の丈が下草よりも高くなるまで刈り続ける。

・間伐 木を太くしていくために間引きしていく。

森林組合は、森林所有者の代わりに伐採や製材を請け合っており、1日平均で7080本の間伐を行っている。例えば4寸(約12cm)角の木材がとれる木は2025年程育てないといけない。木材の一番の利用先は家の建材である。

間伐をしない→下草が生える→自然災害

間伐をする→木が育つ→CO2削減


現在の林業が抱える問題

 ・木材価格がかけたコストに見合わない。 

 ・森林所有者の意識の低下。 

儲からない→山の仕事をしたくない→所有している山の境界が分からない

林業だけで自活していくためには100万㎡程が必要となるが、岡崎の場合、森林所有者の所有平均が1万㎡~5万㎡である。

 ・林業に従事する人がいない

   高齢化 

きけん、きつい、きたない、給料がやすい

   木が使われない


人工林において、管理がされないことによってこる問題。

 同じ時期に植樹されているため、根の深さ、木の高さが単一になる。そのため、陽光が入り込まずに薄暗く、雨の当たる場所は上の方と地面に限られてくる。また、下草の手入れがされない。(自然林の場合、根の深さ、木の高さが散一で、雨や陽光はいろいろなところに当たる。)これらが土砂崩れや、製材面において良好な木が育たないといった事態を招くことになる。


 人工林が放置され続けた場合、50年先に全てがはげ山になってしまうことはないだろう。 一切手を加えなければ、人口林もやがては原生林になる。

しかし、産業面から考えると原生林の木は製材しにくいという問題もある。


 2008年から、愛知県は環境税を一人500円徴収しており、森林整備の補助にも充てられている。しかし本来は税金に頼るのではなく自活した林業のサイクルを作っていかなけらばならない。


素敵な森をつくるためにみんなができること 

                         林野庁「美しい森林づくり推進国民運動」より

 自分の山の現状を再確認する。

 森林の大切さを家族や知人に伝える。

 日常生活で国産材製品を利用する。

 森林とふれあう機会を増やす。

 緑の募金などに協力する。

 森林ボランティア活動に参加する。

 職場ぐるみで森林づくりや国産材利用に協力する。

 身近な緑化活動に参加する。

「環境×アート 事例紹介」  土屋先生


日本

1986年頃 日本木材青壮年大会(?) 毎夏、各県で行われた。

木材を使用した会場のデザインなどをアーティストが行った。

・室生山上公園芸術の森 (奈良県宇陀郡室生町)

斜面地整備(地すべり対策)事業の一環として、池や水路等の整備にアートが取り入れられた。アーティスト ダニー・カラヴァン


海外

1978年~ イギリス北西部 レイクディストリクト グライスデール (4,600㎡) 

荒れた森林の現状を周知、そして森を再生するために、ビル・クラント氏が中心となって、アート(音楽、美術)の導入が始まった。最初は演奏会に始まり、アウトドアミュージアムではなく森林散策の道しるべとしての作品を、アーティストが現地滞在により制作した。そこでは自然・人間・芸術が対等な立場であり、アートによって「森を訪れる楽しみ」をつくり、「森は傷ついている」ということ実感してもらうことがその目的であった。


このような形でのアートの導入は、例えば日本の限界集落の取り組みにも通ずるところがある。

室生山上公園芸術の森

http://www.city.uda.nara.jp/sanzyoukouen/index.html



ダニー・カラヴァン

http://www.danikaravan.com/

グライスデール

http://en.wikipedia.org/wiki/Grizedale_Forest#Sculpture_Trail

レクチャーの後、額田町の森林を見学しました。





森の中にある清水氏の小屋。

手作りの炭焼き窯と露天風呂がある。

清水氏にとって”森は庭のようなもの”。














どこにいても小川のせせらぎが聞こえます。

国島氏はニジマスにえさをあげていました。

(成長させてから釣るのか・・・・?)


樋口氏の解説によると、虫に食われて病気持ちの木もあるらしい。











最後に国島氏のお宅を訪問。

山の中にあるとっても素敵なおうちです。

家の中を石壁が突き抜けている!

水は井戸水で、すごくおいしいそうです。

記録/北浦

















0 件のコメント:

コメントを投稿